慢心、自信過剰、過大評価…自分の成長を止める危険な思考

慢心、自信過剰、過大評価...自分の成長を止める危険な思考お仕事マインド

仕事を行う上で、「自信を持つ」というのも大切なことだ。

その「自信を持つ」ということは、このような状態のことだと私は考えている。

  • 成功・完成のイメージを明確に持っている
  • 手順に迷いがない
  • 自分を信頼している
  • 他人に助言できる位の知識量を持っている

成功のイメージがあるので、迷いなく取り組むことができ、それに係る時間も短縮される。

例えミスがあったとしても、自分を信頼し、今持っている知識量で落ち着いてリカバリーできる。

さらに、そのミスも自分のデータベースに加わるので、ミスをする確率も時間とともに減少。

もっと簡単に言うと、自信があるので成功するイメージを強く持ち、そのイメージに近づけようと行動する…そうすると一種の「引き寄せの法則」に近い現象が起こると思われる。

「自信を持つ」ことがうまく作用すると、短時間で最大限の成果を上げることも可能になるはずだ。

ちなみに「引き寄せの法則」で誰もが勘違いしているのは、理想の自分を想像したり、どういう結果になりたいか、という想像するだけ終わっていることだ。

本当に大切なのは、そこにたどり着くまでのプロセスだ。

自信過剰は成長を止めてしまう危険な状態かも?

だが、中には自信を持ちすぎて、自ら成長する機会を失う人が多くいる。

もとより、他人からの評価は「自分の想定している半分以下」と考えた方がいいと思う…あくまで私の経験上だが…。

人間は誰しも自己愛、自己肯定欲があるので、どうしても自分を過大評価しがちだ。

そして、時にこの自己肯定欲が、目を曇らせ自分の状態を誤認し、成長を妨げる原因となる場合があるので注意が必要だ。

俗に言う「万能感」と言われるものに近いものかもしれない。

この「万能感」、イヤイヤ期を過ぎた3歳以上の子どもや、小中学生に現れる。

ひと通りのことを自分でできるようになるため、「俺ってすげー」状態になり、それ以上のことを考えなくなる時がある。

そして、自ら成長を止めてしまう…。

そう、大人になっても何も根拠なく自信過剰な人は、ただのお子ちゃまなのだ。

自身過剰が引き起こしたKさんの悲劇

もう5年前になるだろうか…とある会社に勤務している還暦間近のおじさんと一緒に仕事をした時のことだ。

私は当時フリーランスだったが、縁あってそのおじさんのいる会社で一定期間出向して働くことになった。

そのおじさん…Kさんとしようか、Kさんは社会人としてのほとんどを、その業界ですごしてきようだ。

だがKさんは、人の話は聞かないし、仕事も自分のやりたいものだけを選んやるし、飽きてきたら途中で放り出す。

声がでかいのでうるさいし、仕事の話でうるさいのならまだしも、独り言でうるさい…。

Kさんは何もわかっていなかった…

「Kさん…駄目な大人の見本だなぁ…」と思っていた矢先、Kさんが社長と口論している場面に出くわしてしまった。

なんとも気まずいのだが、聞いているとKさんは独自理論を展開し、どうも脈略がなく破綻している。

しまいには、社長に言い負かされて「俺の理解が間違ってたかもしれない…」とKさんが言って話は終わったようだ。

社長が居なくなってから「Kさん、駄目じゃないですか!口答えして…しかも言い負けてるし…」と話しかけると…あきらかにKさんの論理が破綻しているにもかかわらず、Kさんは「言ってやった!」という感じなドヤ顔をしている。

「いや、大丈夫だよ!」と笑顔で答えました。

私もいい加減あきれてしまい、Kさんに本当のことを言ってしまいました。

あなたの理論は自分だけのもので、人の話も聞かず自分勝手、もっと周囲とコミュニケーションをとって仕事を勧めたほうが良い…など。

そうするとKさんは、「大丈夫だよ!俺は能力高いから!いずれ独立しようと思っているし!」と笑顔で応えたのです。

その一言に、私に衝撃が走った。

呆れて次の言葉が出てこなかった…。

Kさんは何を思って、そんなことを言ったのだろうか?

Kさんを分析してみたが、能力が高いという根拠がなかった

ビジネスにおける「能力」の高さは、どのように考えればよいだろうか?

この「能力」は、ビジネスの中でも1人でやるものなのか、組織でやるものなのか、その規模や環境によって異なるので、断定はできないが、一般的な企業内でのことで考えてみよう。

①コミュニケーション
報連相がなくても、その情報が必要な人へ自然と共有できるている

②マネジメント
結果にいたるまでのプロセスを細分化して目標・締切を達成する

③危機管理
起こりうるであろうリスクやエラーを予め考慮し管理する

細分化するともっとたくさんあるが、まとめるとこの3つに要約されるのではないだろうか。

では、Kさんの今までの言動を振り返ってみると…

人の話は聞かないし、日々の業務の報告も怠っている…締切は守らないし…提出した書類や見積書は間違いだらけ。

残念なことに①から③のどれも、高いと思えることはなかった。

たしかに社内でできる人がいない仕事ができるが、それは「スキル」であって正確には能力ではない。

能力とスキルを勘違いしている?

どうやら、Kさんは「能力」と「スキル」を勘違いしている可能性がある。

RPG(ロールププレイングゲーム)で例えると…「能力」は、体力、力、かしこさ、運の良さなどのパラメータだ。

このパラメータは、「力」が高ければば、敵に与えるダメージが大きくなったり、「賢さ」が高ければ魔法を早く覚えたり、魔法によるダメージが大きくなったり…というRPGではおなじみのシステムだ。

「スキル」は、火炎斬りとか、ギガス○ッシュとか、技や特技と考えよう。

火炎斬りを使えば水・氷系の敵にダメージを多く与えたり、ギガス○ッシュでグループ攻撃が可能だったり、他にも回復・眠りなどの特殊効果がある技があったり…ダメージを与えるだけではなく、そのスキル特有の効果があったりする。

だが、この火炎斬りも魔法を少し使うので、力とかしこさ高いほど敵にダメージを与えることができる。

なので、レベル1の駆け出し戦士と、レベル40の熟練戦士では、同じスキルでも与えるダメージ量も差がでる。

そう、スキルは能力があって初めて生かされるもので密接な関係になっている。

後に社長から聞いた話も含め、Kさんの能力はそんなに高くはないが、特殊なスキルがあるため、その会社に在籍できていたそうだ。

おそらくだが、このスキルができる自分が能力が高い、と勘違いさせて1つの要因かと推測する。

また、Kさん以外にも同じスキルを持っている人はこの世の中にごまんといるし、同じスキルでもKさんよりもっと能力が高く、優れた結果を出す人も多くいる。

そのことを理解できずに、自分のスキルを研磨できていなかったのはないだろうか?

年数を経験したからと言って能力が高いわけではない

もう一つ考えられることは、経験年数が長いという要因だ。

社会人になってからずっとこの業界にいます!とか、業界歴30年!と聞くと、信頼感があり、まかせて問題ないように思えるが、同じ経験年数でも、人によって出せる結果は異なる。

ひとつのことを継続するのは、すごい事だが人によって得た経験値は異なるので、全員能力が高いかといえば必ずしもそうではない。

ゲームであれば、同じ職業で同じレベルになれば、同じような能力値になるが、人間はそうはいかない。

年数が長いからと言って「能力が高い」とはならない。

最近の諸先輩方で勘違いしている人が多いが、60歳になったからといってレベルが高くなった訳ではない。

同じ60歳でも、レベル60の人もいれば、レベル15のまるで成長していない人もいる。

同じ経験をしても、吸収する速度や量が人によって違うので、成長する速度が違うのだ。

これがわからず、自分のレベルが高いと勘違いし、年下の人間に横柄な態度をとったり、偉そうになったりする残念な方を多く見受ける。

還暦間近のKさんの経験年数は「40年近く」。

確かに業界の知識は豊富だが、彼を見ているとそれは長年経験すれば誰でも到達できるレベルのものである可能性もある。

Kさんは今、自主退職し個人事業で頑張っているそうだが…とても苦労しているそうだ。

会社でできなかったことが、独立したからできるようになる訳ではない。

自信過剰のせいで、自身の能力値を見誤り、成長する機会を失った彼が待っているものはなんだろうか?

まとめると、自信とうまく付き合えと向上できるが、自信過剰は危険!

自信は仕事を進める上で、大きなエネルギーになるが、過剰な自信は成長を止める毒にもなる。

自分が何が出来るかや、能力やスキルなどを正しく把握して、どうすればよりよく成長できるかを考えることが重要だ

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