仕事で嘘をつく人の特徴とその嘘から自分を守る方法

人間関係

皆さんは、今まで生きてきた中で、嘘をついたことがあるでしょうか?

人間少なからず、他人に、ましてや自分に嘘をついたことがあると思います。

では、仕事上で嘘をついたことがありますか?

ミスをごまかすため上司や先輩に、関係を取り繕うため嫌いな人に愛想を良くしたり、やりたくもない仕事をやるため自分を偽る…など私も経験があります。

私は、以前務めていた職場で自分に嘘をつきすぎて、結果として職場にいられなくなり、1週間ほど失踪することに…職場の方や、両親、友人に多大な迷惑と心配をかけてしまいました。

一方で、嘘をつかれたこともあります。

私が出会った3人の嘘をつく人たちは、周りの人たちに不快感あたえ、私にも様々な苦い経験をさせてくれました。

今でも忘れられません。

1人目は仕事を偽り、2人目は相手を陥れ、3人目は利益を独占する、など悪意のあるものばかり。

どうして嘘をついたのか…もう本人に聞くこともないし、確認したくもないですが、理由があるはずです。

また、嘘をつけば、それだけで仕事を加速することも可能ですよね。

私がとある業界に在籍していた時は、自分の経歴、会社の規模、業績、人脈など嘘をつくことで自分を大きく見せ、大きな業績や利益を得ている方が多くいました。

そして、自分の名前すら嘘だった人…ただの詐欺師だったのですが、彼は嘘により数千万円を騙し取りトンズラ…お金だけ騙し取られた不幸な人をたくさん生み出すことになりました。

どう考えても他人を陥れ不幸にする嘘はいけません。

ですが、世の中にはこういう人間が必ずいるので、防御する術を持つことが必要です。

今回紹介する3人の嘘を参考にしていただき、今後の嘘被害の対策にしていただければと思います。

きつい営業ノルマをこなすために嘘をつくHさん

デザイナーとして広告代理店で雇われていた時のこと、私が入社して1年半経った頃でしょうか、今まで継続してもらっていた大手の企業からの仕事が打ち切りとなりました。

それではまずいと、カメラマン兼の社長が突如として営業職の求人を出すことに。

数人応募があり、面接の結果、なぜか営業経験なしの20代後半の既婚男性を雇うことになりました。

社長いわく、占いで自分と相性がいいいのと、その時まだ勤めていた会社の作業着のままで面接に駆けつけた姿が、好印象にうつったそうです。

もう次の週から、スーツ姿で出勤するHさん。頼りなさそうではあるが、まじめそうな印象で社内のみんなに歓迎されました。

さっそく営業開始!順調な毎日!でもノルマが…

当時、デザインはWEB黎明期でDTPが全盛期、営業として売り込むのは印刷物制作と撮影が主。

最初は社長と一緒に営業に出向くHさんだったが、やがて一人で外出するようになり、1ヶ月過ぎた頃、初仕事を獲得することに!

名刺のデザインなので、金額はそんなに大きくないが、Hさんも社長も喜んでいました。

その後、時々ミスもしますが、なんとか順調に仕事をこなすHさん。

私もパンフレットのプレゼンなど、手伝いに行ったこともあったのを覚えています。

だが、デザイナーだった私は、社長から課せられたHさんの営業ノルマがあったことを、知らなかった…。

順調そうな日々に突如、偽りのノルマが発覚!

とある日、私がデザインしたパンフレットが印刷会社から納品されたので、社長とHさんは取引先に持っていくことに。

運ばれていく、ダンボールの数々…でも最後の1箱を持つHさん顔が真っ青でした。

突然、玄関で社長の前で正座したかと思うと、何やら話し出し…社長の顔がどんどん険しくなっていくのが見えました。

真っ赤な顔の社長と、真っ青な顔のHさんは、そのまま社長室に入りました。

2時間後ようやく戻ってきたかと思うとHさんは1人でダンボールを、元の位置に戻しだしました。

その後、社長からの説明でこのパンフレットは、Hさんがでっち上げた架空の仕事だったことがわかりました。

もちろんパンフレットなど印刷物を作った労力と印刷費は全て無駄に。印刷費は総額20〜30万円くらいでしょうか。

実は、彼の嘘はこれだけではありませんでした。

他にも、多くの架空の仕事をでっち上げ、被害総額は100万円超…その後、社長はHさんを訴えたらしいのですが…私はすでに退社した後だったので、その後の結果については知りません。

そして1年後、その会社のあった建物の前を車で通った時、すでに空き家になっていました。

女性の可愛い嘘?社員を退職に追い込む内部クラッシャーのKさん

海外留学の経験もあり英語も話せるので、海外出張では必ず社長に同行し通訳もこなすアメリカ人の恋人がいるキャリアウーマン。

なぜだか言葉に変な説得力があるため、外部の人たちはKさんをたちまち信頼しますが…社内では同性と部下へのパワハラがひどい方でした。

また、目上の人間に対しては自分をよく見せるための嘘をついて評価を上げたり、自分が不利になった時は、自分を可愛そうに見せることで、ピンチを切り抜けているようでした。

これは世渡り上手という意味合いもあるので、必ずしも悪いことではありません。

ただ、社内で自分の権力と利益だけをも守ろうとして、Kさんはどんどんおかしな方向に進んでいくのでした。

会社のお金を握る人が権力を持つと社内は悲惨な状況に…

Kさんは経理の経験も知識がないのにもかかわらず、経理を担当。

気に入らないことがあると、経費を請求しても拒否したり、払うべき報酬を払わなかったりとやりたい放題。

また、入って1年経たずに退職する中途社員が気に入らないのか、有給取得のルールを勝手に変更し、退職する際に有給を利用できないようにしましたが、さすがに顧問の司法書士に止められこの件は断念。

また、気に入らないパート女性を無能であるかのように社長に嘘を報告し、出勤日数を減らしたり、毎日のようにささいなことでいびったり、これもやりたい放題。

結局その女性は退職に追い込まれました。

その後、自分で「追い出してやった!」と言っていたので、故意にやったと自白する、なんとも罪の意識も良識も無いKさん。

もちろんこのパート女性だけではなく、私がこの会社に関わった5年間で、Kさんが原因で退職した人は6人、離れていった取引先は4社を超えた。

ここまでやっておいて、社長は何も思わないのか…?

Kさんと社長はずいぶんと古い仲。腐れ縁と言ってもいいでしょう。

長くKさんを見ているので、よもや嘘をつくとは思っていない様子。しかも、経理がKさんしかいなく、辞めてもらっては困るのでKさんの味方をする社長…。

このような感じで、社内での信用はすでにボロボロの状態に。

退職が相次ぎ、そして会社に誰もいなくなった…

パワハラと嘘、そして常識を持たない会社に務める人は誰もいなくなりました。

Kさんと社長の2人だけで築き上げた常識は、一般的には非常識なもので、良識のかけらも無いブラック企業そのもの。

だが、Kさんの「どうして、私たちの周りからは人がいなくなるんでしょうね…」という言葉が印象的でした。

もはや記憶を書き換えているレベルです…。

今ではKさんと社長だけで会社をほそぼそと経営しているそう。

病的レベルで息するように嘘を吐く男性社長Sさん

今までの人生で、ここまで嘘をつくか…!というレベルの人間が、かつて1人いました。

雇われ社長のSさん。

ゲームや漫画など共通の趣味があり、SNS経由で最初は友人として仲良くなりました。

その後、お互い同じジャンルの仕事だったので、Sさんから誘われ一緒に仕事をするように。

Sさんが代表を務める会社のグループ内にある、別の会社で雇ってもらうことになりました。

最初はSさんの社員たちも含め、楽しく仕事をしていたはずなのですが…いつからか歯車が狂いだし、よもや私を退職寸前まで追い込むとは思いもしませんでした。

サイコパス?嘘をついている自覚が本人にない?

最初はSさんが、嘘をつく人だなんて思ってもいませんでした。

知り合うと「博識ですごい人」「話し上手で女性にモテる」「営業手腕がピカイチ」など、誰もがSさんのことを尊敬します。

それから数カ月後、最初は漠然ですが、何かおかしい…自分の周りでなにかおきている…?と感じ始めるように。

私が務めていた会社の社長から、受けたことのない仕事について怒られたり、納期通り仕上げたにもかかわらず遅いと言われたり、会社の損益を私のせいにしたりと、まったく訳がわからない。

しまいにはある日に「俺に不満があるのか!?それなら辞めちまえ!」と言われる始末。

よくよく聞いたり、調べたりすると原因はSさんの嘘でした。

なぜか私を悪者にして、私の務める会社の社長やオーナーに報告していたのです。

このことが問題になり、Sさん、Sさんの社員、オーナー、社長、私などで会議をしたのだが…今までの嘘を並べて見もSさんは知らないと言ったり、または嘘を真実のように話したり、もう会議はぐっちゃぐちゃ。

社長は何かを察したのか、私に謝ってきたが…、オーナーも面倒になったのか、もう嘘はつくなと注意があっただけでその日の会議は終わってしまいました。

だがその会議の後でも、Sさんの嘘つきが治ることはなくなるどころか、拍車をかけていきました。

今までの被害総額はプライスレス…

Sさんは自社のコンサルティングの仕事をとるため、自分をティーアップするのだが、1年も経たず嘘がばれるので、最後には解約するケースが相次ぎました。

また、自分の手柄にしようと、知らない間に取引を1人進めるが、本当はその実力もなく、しまいには嘘がバレるので仕事自体消滅していきました。

しかも原因は自分にあるのに、相手が悪いように嘘の報告をし、責任を逃れていたようです。

唯一残ったのはグループ会社のオーナーの人脈で得た、数件の仕事のみ。

しかもお金にもケチで、グループ会社のオーナーに買ったプレゼントを経費で落とそうとしていたり…いや…それ、オーナーが自分で買ったのと一緒じゃん…。

その他、自分の着る洋服、嫁にプレゼントするブランドバックなどを経費にしようとする始末、はたまた社用車として買ったはずなのに、即日チャイルドシートが設置され私用で使う気まんまんで、やりたい放題。

これまでのSさんの被害をまとめると…

  • 私が退職に追い込まれる
  • 嘘がばれ大手企業との人脈が断絶
  • 芸能関係の人脈が断絶
  • グループ会社の別の社長に自分のミスをなすりつける
  • 社用車を私用で乗り回す
  • 勝手に会社をM&Aしようとるする
  • 別の用途で作っていたWEBサイトを勝手にM&A

これをすべて一人の人間がやったなんて…驚きです。

Sさんは今でも、同じ会社の社長をしいるが、社員が入っても半年も経たずに辞めていき、売上はガタ落ちで存亡が危ういらしいが、得意の嘘でなんとかやり過ごしているようです。

なぜこの3人は嘘をついたのか?

大事なことなので、もう一度言うが、他人を陥れ不幸にする嘘は絶対にいけません!

だが、私たちのいる社会は悪意で満ち溢れ、時として私たちに襲いかかります。

ではどうやって、その悪意から、自分の身を守ればよいのでしょうか?

まずは、3人が嘘をついた理由から考えてみましょう。

彼らが嘘をついた理由

①Hさん:自分のノルマを達成させたかった
②Kさん:自分の権力と利益を守りたかった
③Sさん:自分だけが利益を得たかった

これを見ると、人間としてよくある願望ですが、3人とも身勝手で自己中心的な嘘のつき方をしています。

また、自分のことばかりを考えて、後先のことをあまり考えずに嘘をついています。

最後は嘘がバレたり、自分から言い出したりと、嘘をついた本人にとっても良くない結果となっています。

これは、今まで嘘だけで上手くやってきたので、その後を考える必要がない、または、嘘をついている自覚が本人にないのだと思われます。

それほど狡猾な人間ではなく、その場つなぎだったり、追い込まれた時に嘘をつくような人間だということではないでしょうか?

となると社内でセルフディフェンスすれば解決、または、嘘をつかれない状況をつくりだせるかもしれません。

対策はセルフディフェンスと周囲との信頼関係が重要

本当は嘘をつく人間とかかわらないのが一番ですが、会社に務めているとそうもいきませんよね。

自分を守るためには、まずはそういった人たちが嘘をつけない環境をつくることが必要です。

私からは、以下の項目についてを提案します。

  • 社内でも口頭では仕事などの依頼を絶対に受けない
  • 上司やその仕事に関わる人すべてが見られる場所に証拠を残す
  • 嘘をつかれた時のために、エビデンスを集めておく
  • 小さい仕事でも取引先と業務契約を交わす
  • 周囲の人たちとの信頼関係を築く
  • 自分が標的にならないようにする

嘘をつけない環境を作るためには?

嘘をつく人間には、あなた1人で対応してはいけません。

また、口頭での仕事の依頼・受注は、「言った言わない」の問題になるので、社内・取引先とのグループチャットなどを活用しましょう。

メールでは、届いていたとしても「届いていない」「迷惑メールになっていた」など嘘がつけてしまい、この場合の連絡手段としてはあまり好ましくないのが現状です。

「チャットワーク」というWEBツールが、情報の共有に便利です。

ビジネスが加速するクラウド会議室|チャットワーク

メールアドレスで簡単に登録することができ、無料プランでもグループチャット14まで作成可能です。

このグループチャットに、同じ課の人間、同じプロジェクト、取引先などの各関係者でのグループをそれぞれ作り、そこでやり取りをすれば証拠として残ります。

あとは、よく嘘をつく人や、もの忘れが激しい人から口頭で言われてしまった場合は、すぐさまその内容を「報告」として、チャットワークに書き込みましょう。

そうすれば、証拠として残すことができます。

ただ、あくまでデータなので、タイムライン上の自分のメッセージは編集・削除できます。(他人のメッセージは編集・削除できない)

よく嘘をつく人間のメッセージは、念のためスクリーンショットで残しておきましょう。

書面のみでのやり取りは時代遅れですし、メールは見られないとか届かない可能性があります。

チャットワークでは、メッセージのやり取りの他に、データのアップロード・ダウンロード、ビデオ・音声通話、タスク管理などができるので、普段の仕事やプロジェクトを動かす時でも十分活用できます。

また、Googleが提供している、スプレッドシートという、WEB上でExcelのように表計算できるアプリが便利です。

ほぼExcelと同じ機能があるので、プロジェクトなどの情報・進行管理をこのシートで行うこともできます。

また、どのような入力や編集を行ったかの履歴の確認閲覧・編集できる人間を限定、などが可能なので、誰でも勝手に編集できないようになっています。

このようなツールを使い、仲間でいつでも共通の情報を見ることができるようにして、嘘をつけないように外堀を埋めていきましょう。

周囲との信頼関係

信頼は人間関係で大切なものですが、社内でのあなたはどうでしょうか?

社内での信頼関係がない状態だと、嘘をつかれても誰もあなたも味方をしてくれない場合もあります。

よく嘘をつく人は、口がうまいので信頼関係を簡単に築きやすくあります。さきほど、説明したSさんも、最初に会った人間は誰しもSさんを信頼します。

また、孤立していると嘘をつく人間から標的になりやすいので、周囲とのコミュニケーションを適度にとることが必要です。

コミュニケーションがどうも苦手だという方は、誠実で仕事を普通にこなせるようであれば多少は良いですが、何を発端にして標的にされるかわかりません。

嘘をつく人間は、弱者を悪者にして攻める傾向にあるので、弱い所を見せたり、不誠実な所を見せたりすると、いじめの対象になる可能性があるので注意が必要です。

嘘はダメ!人間関係も未来も壊す結果になる!誠実な仕事をしていこう!

紹介した3人はこれからも嘘をついて生きていくのでしょうか?

仕事で嘘をつけば、周囲にも迷惑をかけ、会社には損益を出し、何より本人の信用を下げるので、ほとんどの場合、良い結果にはならない。

だが、これからはIT技術、人工知能がより発達し、企業として人間として、簡単には嘘がつけない時代がやってくるかもしれません。

過去の発言や、メールなどからその人の言動が紐解かれ、嘘がすぐに暴かれる仕組みができれば、誠実に仕事をしている人間にとってはより仕事のやりやすい環境となるはずです。

誠実な仕事をした人間が一番利益を得る、そういった時代がくることを切に願います。